村人達
エレン:
エルヴェという少年を
ご存知ではないですか?
レスター医師:
……!!?
エレン:
知っているのですね、
どうか教えてください…!!
異界で彼が…
レスター医師:
おお…エルヴェ…
エルヴェに会ったと…?
エレン:
誰なのですか…?
レスター医師:
…かつての患者だよ。
エレン:
シュゼットはエルヴェの妹…
なんです…
レスター医師:
……まさか…!?
レスター医師:
では…あの後…無事に
出産をしたということか。
エレン:
シュゼットは17年前に
村で何が起きたのかを
知りたくて来ているのです。
エレン:
レスター先生から
それを教えていただけませんか?
レスター医師:
無理だ。私が何を知ってると?
帰りたまえ…迷惑だ!!
エレン:
レスター先生…?
エレン:
あなたは…学者なのですか?
オコネル:
ああ…僕はオコネルという。
この列石を研究していてね。
エレン:
あの列石は伝承の通り、
異界に通じているのでしょうか?
オコネル:
迷信とは思わない。
仮に列石が根拠なき迷信から
生まれたのなら
オコネル:
同様に我らの文明の造形物も
何の根拠もないことになる。
オコネル:
我々現代人の多くは
古代人の知識を下に見て、
オコネル:
彼らの造形物を
太陽信仰の祭壇程度としか捉えない。
しかし、それは間違っている。
オコネル:
村に残る、列石と支石墓には
明確な利用法があったのだろうね。
エレン:
では、あの列石群は
何のために作られたのでしょうか?
オコネル:
君の知る異界への旅…さ。
平たく言えば、死者との交信を
図る場所だ。
オコネル:
なお、古代人が死者との交信を
していたからといって
オコネル:
それが即、異界や魂の実在を
示すものではない。
オコネル:
この点は誤解をしないでほしいね。
エレン:
実は…あなたの論文を
読んだことがあるんです。
エレン:
列石について書かれていた。
斬新な仮説だったと思います。
エレン:
異界は無意識への旅と…
でも、実際に体験して
そうは思えないんです。
オコネル:
プライベートで来ている。
僕の論文を読んでいてくれたことは
ありがたいが、
オコネル:
その話を今、君とすることの
意味が僕にはないので。
エレン:
研究のために
来ているのではないのですか?
オコネル:
……。
マスター:
あんた…いったいどうやって
この村に来たんだい?
エレン:
船で…。
公道は塞がっていたのです。
マスター:
ああ…そうだろうな。
廃村になっているから、
道の修復もされていない。
マスター:
しかし…あの船で来るとは…
なぜ、そこまでして…?
シャーロット:
エレン…
いなくったらやだよ。
エレン:
えっ!?
シャロット:
んーん、何でもない。
いつまでも遊んでね。
シャーロット:
あの石のわっかは
妖精のすむ世界に
つながっているのよ。
エレン:
シャロット、どこでそれを…?
シャーロット:
妖精さんに会いたいな。
Written by Mysta
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第1章
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