村人達2
オコネル:
崖の殺人…ね。
雑誌記者が探偵の真似をしても
仕方あるまい。
キーツ:
あんた…よくこの近くを
うろついているが、
キーツ:
あの日…海岸に行った人物を
知らないかい?
オコネル:
船で漂着した娘がいたよ。
考えられないがね。
キーツ:
ああ…
殺された女性の娘だそうだ。
オコネル:
ほう…?
オコネル:
あとはシュゼットという娘と、
インチキくさい記者くらいか。
キーツ:
なるほど…
オコネル:
残念だが、私は情報を持たない。
シュゼットに聞いてみたまえ。
*
オコネル:
異界への旅の伝承…
それはオカルトで語られる
べきではない。
オコネル:
学者の立場からいうが、
つまらぬ記事を書くのは
止めてくれたまえよ。
キーツ:
フフ…そちらこそ
くだらん論文を書くのは
止めるんだな。
オコネル:
……。
*
オコネル:
この村はいわゆる霊感が強い土地柄だ。
太古には聖地として大切にされていた。
キーツ:
霊感ね…ただ、
神秘現象が起きやすい土地は
確かに存在する。
キーツ:
実際には何か未知の
科学的な根拠があるんだろうが。
オコネル:
それには同感だ…死者に会う伝承も
現実的な現象に基づくものと
考えられる。
オコネル:
村はその民間伝承と共に
細々と暮らす人々がいたが、
近代になって結局は廃村になった。
キーツ:
その理由が何かは気になるね。
*
オコネル:
雑誌記者か…。
本来、私の好かない人種だ。
オコネル:
我々の言葉を
センセーショナルに
飾り立てて書くだけ…
キーツ:
ククク…あんたが研究室で
考えたことに、真実など
欠片も含まれちゃいないさ。
オコネル:
……。
*
オコネル:
レジーヌ…?
オコネル:
さあ、知らないね。
そんな人物は。
キーツ:
ほう…
他の村人は知っていたが。
あんたは村に来たのは…?
オコネル:
最近だよ…
だから村人とは縁がない。
キーツ:
なるほど、部外者か。
*
オコネル:
確実に言えることが一つある。
オコネル:
君が私から得るものは何もない、
ということだ。
オコネル:
分かったら、
あまり私の邪魔を
しないでくれたまえ。
シャロット:
キーツ、
ひげをそったほうがいいわよ!
Written by Mysta
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