村人達
シュゼット:
エルヴェ…?
死んだ兄のこと…?
シュゼット:
分からないよ、
あたしが赤ん坊のうちに
死んだんだ。
シュゼット:
あんたの方が知っているだろ?
異界で会ったと言ってたじゃないか。
エレン:
……そうだね。
もう一度そこに行ってみる。
シュゼット:
エレン…村で…
黒い影を見たことがないか?
シュゼット:
これは冗談とかでなくて、
本当に見たのだけど、
シュゼット:
心当たりはない…?
エレン:
黒い影…?
わたしは見たことがないけど…
シュゼット:
……。
レスター夫人:
ああ…ああ……
エレン:
ごめんなさい…
また出なおして来ます。
エレン:
何か…わたしにできることが
あったら…
レスター夫人:
もう、頼んでるわ!!
エルヴェに…聞いて!!
レスター夫人:
こんなことになったのも
あの日の出来事が原因としか
思えないの!
レスター夫人:
それとも…
あの人は死んでも
私に何も告げたくないのかしらね!
エレン:
どうか…落ち着いて…
エレン:
レスター先生は
そんな人ではないと…
ライアンさんも言ったわ…
*
レスター夫人:
夫は…夫は…殺されたの…
17年前に…怖ろしいことが…
レスター夫人:
今思えば…夫は…
私を巻き込まないため
何も言わなかったのだと……
レスター夫人:
しばらく一人にさせて…
あなたは異界でエルヴェと
あの人に話を…
ハリエッタ:
!!!?
ハリエッタ:
あんた…なによ…!!?
来ないで…私を殺そうと!?
エレン:
落ち着いて…!!
エレン:
わたしは何もしません。
ハリエッタさん、お願い…!
ハリエッタ:
あんたは誰…?
いったい誰なの…?
エレン:
あなたが真実を話してくれる時を
待っています。お邪魔してごめんなさい。
マスター:
17年前の万霊節の背徳
それは一人一人が砕片を持っている。
だから、誰も全貌は知らない
マスター:
一つ一つの砕片でさえ
各々の人生を壊し
今もなお、苛んでいる。
マスター:
もしも、それらの断片が
一つに集まったら…
マスター:
誰かが意図的に集めたんだ。
だから、こんなことが起きた。
*
マスター:
おお…こ、怖い…!!
た、助けてくれ…!!!
エレン:
マスター!?
しっかり…!!
マスター:
お、おお……エレンか…!!
*
マスター:
…すまん…
驚かせてしまったな。
マスター:
ただのアルコール中毒なんだ…
気にしないでくれ…
シャーロット:
怪我をしたときは
レスター先生に診てもらうの。
シャーロット:
先生は…とっても優しいのよ!
*
シャーロット:
先生…お花を持っていたわ。
とてもきれいだったの。
*
シャーロット:
……ねえ、どうしたの?
レスター先生…どうしたの?
エレン:
……。
エレン:
(シャロットに…
医師の死を伝えるのは
酷かもしれない…)
*
マスターは教えてくれないの。
エレン、ねえ…教えて…
エレン:
……。
*
シャーロット:
えーん…えーん…
エレン:
シャロット…
シャロット:
レスター先生には…
もう…会えないの…?
シャロット:
マスターが…
先生は遠いところに
お出かけしてるって言うの。
シャロット:
でも…違うんだよね?
どうして、そんな風にいうの?
嘘をつかないで…
シャロット:
ねえ、知りたいの…
もう…先生はどこに行ったの?
エレン:
……。
シャロット:
エレン…
エレン:
そうよ、会えないの…
エレン:
レスター先生は亡くなったの。
死んだ人たちの国にいるのよ。
シャロット:
もう…ずっと…?
おけがしても…見てもらえないのね?
エレン:
うん…それが…
死ぬということなのよ。
シャロット:
……。
エレン:
シャロット…
だから、命を大事にね……
*
シャーロット:
エレン…
エレンは大丈夫だよね?
エレン:
……?
シャーロット:
死んだりしないよね?
エレン:
えっ…!!?
エレン:
……。
レスター夫人:
エルヴェのこと、
教えてくれてありがとう。
エレン:
お役に立てましたか…?
レスター夫人:
誰にも相談できず、
ずっと独りで悩んでいたの。
あなたが来てくれて…
あなたにお願いして
本当に良かったわ…
・エレン、とてもうれしそうにする
エレン:
……。
レスター夫人:
異界と言われても
分からないけど…
レスター夫人:
あなたが
大変な想いをして
調べてくれたことは
よく分かるの…
だから、あなたにも
楽になってほしい。
過去が明らかになり、
それがあなたを
幸せにすることを
願っているわ。
・それを機に思い切って聞いてみるエレン
エレン:
エルヴェは、セシリアが
まだ生きていると…?
レスター夫人:
!!?
いえ、そんなはずはないわ。
レスター夫人:
エルヴェが亡くなった少し後、
村を出たセシリアの母親から
手紙が届いたの。
レスター夫人:
セシリアの死の報告だった。
エレン:
手紙は…本当なのですか?
レスター夫人:
悲痛な手紙でした…
なぜ、それを偽りだと…?
・そう言われると二の句を告げない
エレン:
そう…ですか。
レスター夫人:
セシリアが生きていたら、
どんなによいでしょう。
レスター夫人:
ちょうどあなたくらいの
娘さんに成長して
いたでしょうね…
(C)Mysta
冒頭へ戻る
第3章
最初のページへ