村人達
シュゼット:
レスター医師のことを
調べているの…?
キーツ:
ああ…
シュゼット:
あの医者は明らかに挙動不審だね。
夫人と違って人目を避けてる。
シュゼット:
ただ…あの医者は今でも
頼まれれば、村人の診療は
行っているよ。
*
シュゼット:
なあ、あたしたちが見た
ハッグは誰なんだ…?
シュゼット:
あんたの言うバケモノだと
思っているわけじゃないよね?
キーツ:
闇に消えたが…
もちろん…あれは実在だ。
幽霊なんかじゃない。
キーツ:
だが…俺も一瞬しか見ていない。
一見は女性だが定かではない。
シュゼット:
あたしの母親を殺したのは…
ハッグ…なのかい…?
キーツ:
即断はできないな。
*
シュゼット:
17年前にもハッグがいたという
話を聞いたんだ。
シュゼット:
灯台守を殺したのも
そいつの仕業だって…!
キーツ:
事実かは分からんさ。
それこそ見間違いかもしれん。
キーツ:
もちろん、17年前にハッグが
いたのなら、犯人は絞られるがな。
*
シュゼット:
あんたたちは…
こんなことが起きても
平気で夜うろつくんだね…?
キーツ:
俺は…恐怖より好奇心が勝ってね。
エレンの事情は知らんが。
ハリエッタ:
事故に遭ってから、私は
理想と現実のギャップに苦しみ、
プライドの高さを持て余してた。
ハリエッタ:
あんな愚鈍な男と自分は
釣り合わないなどと思っていたの。
キーツ:
今では愚かなことだった…と?
ハリエッタ:
そうね…
キーツ:
それで、郷愁のために
再び、この村を訪れた…?
ハリエッタ:
いえ、村には呼ばれたの…
何者かに…手紙で。
キーツ:
気が向いたら連絡をくれ。
俺は警察じゃない。
悪いようにしない。
*
ハリエッタ:
来ないで…!!
キーツ:
待て…!!落ち着け…
俺が犯人のわけないだろう?
ハリエッタ:
そうね…でも…
キーツ:
身の危険を感じている…?
それなら真実を話すんだな。
ハリエッタ:
……。
*
ハリエッタ:
あなたが来て村が
おかしくなったのかしら?
ハリエッタ:
それとも、
村がおかしくなったから
あなたが来た?
*
ハリエッタ:
若い頃…私は神秘に傾倒した。
でも、今は違う。
ハリエッタ:
非科学的なものを信じていない。
ハッグなんていないわ…!!
ハリエッタ:
いるのは現実の殺人鬼…!
近く…話をするわ。
キーツ:
分かった。いつでも連絡くれ。
*
ハリエッタ:
秘密を知る人が死んだのよ。
あなたに告げていいのかしら…?
オコネル:
どういうことだ…!?
なぜ、殺人が起きる…!?
キーツ:
調べている途中でね。
オコネル:
君が見たという黒衣の人物は…
本当に女性だったのかね…?
キーツ:
…女性であることが
あんたにとって重要なのかい?
オコネル:
……。
*
キーツ:
いい加減、
あんたが何を探しているのか、
教えてくれてもいいのでは?
キーツ:
それが事件に関係あるかもしれない。
オコネル:
……。
*
オコネル:
ハッグ…とは
この地方に存在する…
洞穴に潜む老婆だ。
キーツ:
あくまで印象に過ぎないが…
女性…それも優雅な身のこなしの
気がしたがね。
オコネル:
年齢と背格好は…?
キーツ:
分からんよ。
背は普通…女性に見えたという
ことだけだ。
オコネル:
……。
シャロット:
あのね、あのね、
海の底の神殿に…
どんな病気も治るお薬があるの。
キーツ:
いや、そんなものはないな。
シャロット:
いいわよ、フン。
エレンに頼むから!!
キーツ:
フフッ、そうすればいい。
子供に嘘はつかん方がいいからな。
*
シャーロット:
エレンにお手紙を書くのよ。
シャーロット:
みんな…どうしたの…?
教えてくれないの。
シャロット:
こわいの…
なにがおきたの…?
レスター先生は…?
キーツ:
……。
キーツ:
どうすればいいんだろうな、
こういう時は。
*
シャロット:
エレンが…教えてくれたの。
レスター先生は死んじゃったのね。
シャロット:
えーん…えーん…
キーツ:
レスター先生のことは
好きだったのかい?
シャロット:
うん…
(C)Mysta
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第3章
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