記者と少年
エルヴェ:
良かった…
大好きなレスター先生が
あんな安らかに…
エルヴェ:
僕は自分の存在が
ずっと先生を苦しめていたのが
辛かったんだ。
キーツ:
だから、忘れ去られようと
したってわけか?
キーツ:
死んでも患者を守るなんて
良い先生じゃないか。
エルヴェ:
うん!
キーツ:
それに…俺がいなかったら
危なかったぞ。
エルヴェ:
アンノウンレルムの
記者なんだよね…?
憧れなんだ。
キーツ:
光栄だね。
エルヴェ:
ね、仕事は面白い…?
僕も記者になれるかな?
キーツ:
仕事はな、つまらんぞ。
キーツ:
編集長にどなられ、
読者にはなじられ
キーツ:
暗い部屋で朝まで仕事して
給料も安い!
エルヴェ:
そんな…
キーツ:
幻滅しただろう?
それが仕事ってもんだ。
エルヴェ:
うーん…
キーツ:
だがな…やっぱり、
面白いんだ、これが。
エルヴェ:
やっぱり!
いいなあ、僕も
あなたみたいになりたい。
キーツ:
やっと、俺の良さが分かったか。
エルヴェ:
ね、アンノウンレルムの
編集室に行きたい。
キーツ:
いいよ、連れてってやる。
エルヴェ:
ほんと…!?
エルヴェ
あ…でも、僕はもう、
行かないといけない…。
キーツ:
……。
エルヴェ:
あと…ひとつ、
ひとつだけ、
エルヴェ:
大切なことを…
お願いしてもいい?
キーツ:
ああ、いいよ。
エルヴェ
エレンを…
エレンを宜しく…
エルヴェ:
これから起きることから
彼女を…守ってあげて…
(C)Mysta
冒頭へ戻る
第3章
最初のページへ